活動報告

委員会・調査会

決算委員会 質疑全文文字起こし 2026年6月8日

エアコンの2027年問題、原油・ナフサ供給、燃料油補助金、ナフサ備蓄について


1.エアコンの2027年問題と省エネ基準の周知について

後藤ひとし議員

国民民主党の後藤です。
経産大臣、どうぞよろしくお願いします。

順番を少し変えさせていただきます。

昨日から関東でも梅雨入りしました。
5月は例年にない暑さで、私の地元・山梨でも猛暑日が続きました。

その影響もあり、エアコンの売れ行きが非常に好調で、量販店では一部店舗で売上が2倍以上になっているところもあります。

これは暑さ対策だけではなく、来年、2027年から始まる、いわゆる「エアコンの2027年問題」も影響していると考えています。

つまり、省エネ基準に合っていない廉価品は、来年度から生産も販売もできなくなる、という情報が広がっています。

地元でも、エアコンの省エネ規制が変わるため、現在の低価格商品は販売できなくなるという記事を拝見しました。

しかし、よく調べると、実際にはそうではないようです。

消費者からすれば、安いものを安いうちに買っておきたい、来年は省エネ基準の強化で価格が上がるのではないか、と考えるのは当然かもしれません。

ただ、行き過ぎた駆け込み需要が起きれば、今年は需要が前倒しされ、来年は需要が落ち込むことになります。

そのため、消費者やエアコンを販売している量販店の方々に対して、来年度から始まる新しい省エネ基準がどういう制度なのか、SNSも含めて、しっかり広報を強化する必要があります。

来年、売れ行きが悪くなって大変だということにもつながりかねません。

エアコンの2027年問題に対する経済産業省の今後の取り組みをお伺いします。


赤澤亮正経済産業大臣

後藤委員と問題意識を完全に共有いたします。

家庭用エアコンについては、省エネルギー非化石転換法のトップランナー制度に基づき、2027年度から新たな省エネ基準が適用されます。

ただし、2027年度以降に基準値を満たさない製品の製造・出荷を禁止するものではありません。

各メーカーが年度ごとに出荷する製品全体で、基準値を満たすことを求める制度です。

また、2027年時点で既に家庭に設置済みのエアコンの使用を妨げるものでもありません。

そうした点も含めて、しっかり周知していかなければならないと思っています。

各メーカーは、新しい基準に対応した省エネ基準達成品の製造・出荷を開始しています。

省エネエアコンの普及は、エネルギー安全保障や脱炭素だけでなく、家庭の光熱費削減にも貢献します。

こうしたメリットも含め、委員御指摘のとおり、丁寧に情報発信していくことが重要です。

現在、省エネ庁のホームページでは、制度の目的、内容、省エネ基準の引き上げによるメリットについて説明した特設ページを設置し、周知しています。

また、家電量販店等に対しては、省エネ法に基づき、省エネラベルとして1年間の目安光熱費の表示を求めています。

業界団体等とも連携し、こうした表示の徹底をお願いしてまいります。

引き続き、消費者や家電量販店に正しく理解いただけるよう、委員のおっしゃる冷静な広報、しっかりとした周知に取り組んでまいります。


後藤ひとし議員

大臣、私も省エネ庁が出した資料を拝見しました。

よく読めば分かるのですが、もう少し分かりやすく工夫した方がよいと思います。

また、今、需要が非常に増えています。

加えて、ナフサ由来の塩ビ管が不足し、工事にかなり遅延が出ていることもあります。

あまり需要が急増すると、数か月待ち、半年待ちといったことも一部で起きているようです。

そうした点についても、ぜひ御配慮いただきたいと思います。


2.ナフサ由来の塩ビ管不足と石油・ナフサの供給見通しについて

後藤ひとし議員

元に戻ります。

大臣、2月28日以降、役所の皆さん、民間の皆さんのお力も借りて、原油、ナフサについて、少しずつ量的には目途がついてきたのではないかと思います。

その意味では、大臣たちの御努力に心から敬意と感謝を申し上げます。

ただ、量が足りればいいというものではありません。

まずは、価格よりも、足りないものをどう補うのかという点です。

現在努力されている現状と、今後の見通しについて、まず量の部分から、大臣にお伺いします。


赤澤亮正経済産業大臣

原油のホルムズ海峡を経由しない代替調達は、委員御指摘のとおり、だいぶ積み上がってきています。

今月、8割程度まで引き上がる見込みです。

保守的に6割の代替調達が継続する場合を想定しても、年度を越えて来年春まで石油の安定供給を確保できる見通しです。

また、ナフサについても、代替調達により従来の85%水準まで回復しています。

ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は、年度を越えて供給継続が可能となっています。

原油価格とナフサ価格にも触れます。

国際的な指標であるブレント原油は、中東情勢緊迫化前の1バレル当たり約70ドルから、3月末および4月末には約118ドルまで上昇しました。

6月8日時点では約95ドルです。

情勢緊迫化前までは下がっていませんが、一時よりは下がっています。

ナフサも同様です。

中東情勢緊迫化前の1トン当たり約640ドルから、4月上旬には1000ドルを超え、約1010ドルまで上昇しました。

その後、最近では落ち着いてきており、6月5日時点では716ドルとなっています。

引き続き、中東情勢が見通せない中、市場動向も注視しつつ、エネルギーの安定供給確保に万全を期してまいります。


3.燃料油価格激変緩和措置と支援のメリハリについて

後藤ひとし議員

大臣がおっしゃるように、価格については4月がピークだった可能性があり、5月以降は少し落ち着き、輸入価格も3割程度安くなったという報道も承知しています。

その上で、現場ではまだ、大臣が繰り返しお話しされる「流通の目詰まり」が続いています。

建設現場、エアコンの外気と内気をつなぐ塩ビ管、下水道工事、農業資材、包装資材など、あらゆるものが上がっているのが現実です。

一方で、燃料油価格激変緩和措置が機能し、ガソリン、軽油、灯油、重油、航空機燃料については、政策的・財政的支援によって価格上昇が抑えられています。

ただ、中東に9割を依存している我が国が、世界最大の産油国であるアメリカよりもガソリンの小売価格が安いということを、手放しで喜んではいけないと思います。

170円/リットルを目途とした措置により、私の地元でも一時期は170円超、180円超となっていましたが、今は安いところでは150円台前半、150円に近いところもあります。

この20円の差は何なのか。

ある意味では、行き過ぎた部分があるのではないかと思います。

アメリカよりも、日本の方がガソリンが安くなっている。

これは財政的なサポートが行き過ぎていると理解しなければなりません。

3日の本会議でも指摘しましたが、ここはメリハリをつけて対応しなければならない時期に来ています。

ナフサ関連製品は、量も足りず、価格も上がって困っています。

しかし、ガソリンや軽油が上がりすぎて困るという声は、財政的サポートによってほとんどありません。

したがって、支援にはしっかりメリハリをつけるべきです。

170円の目安についても、地域別なのか、業種別なのかは別として、下げるものは下げていくべきです。

市場の歪曲は長続きしません。

大臣は、そういう判断をすべき時期だと思います。

お考えをお聞かせください。


赤澤亮正経済産業大臣

燃料油価格の激変緩和措置は、足元でガソリン価格が高騰する中、実際に1リットル200円を超える見通しが立った際に、国民生活と経済活動を守るため、緊急的に速やかに実施せざるを得なかったものです。

そのため、ガソリン価格を引き下げる補助金を始めました。

本措置の今後については、与党、野党の幹部、そして委員からも、これは激変緩和措置であり、中東情勢や価格動向、支援の持続可能性などを勘案し、重要な対応が必要だとの御指摘をいただいています。

こうした御指摘を踏まえ、中東情勢が今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、必要に応じて、今回創設する中東情勢等対応予備費も活用しながら、支援単価を含め、支援の在り方を柔軟に検討してまいります。


後藤ひとし議員

この緊急緩和措置は、もともと4年前の時限的・緊急避難的な措置であり、2020年1月27日からスタートした補助金の延長線上にあるものと理解しています。

現在の170円目安だと、1か月当たりおよそ1000億円かかると試算されています。

10円下げれば、1000億円程度下がるのではないかと思います。

アメリカとほぼ同水準、あるいはアメリカよりも安い。

ドイツやフランスなど欧州諸国と比べれば、倍以上安い。

そうした情報を、国民や消費者の皆様にもきちんと伝えるべきです。

一方で、3月上旬には、トラック、バス、タクシーなどの流通団体が、これ以上燃料価格が上がると困るという緊急声明をいち早く出しました。

物流業者、農業、漁業関係者などに、補助を見直した余力をどう使うのか。

そうした点も含め、国民の皆様に理解を得やすい形をぜひ取っていただきたいと思います。


4.ナフサを激変緩和措置の対象に加える考え方について

後藤ひとし議員

資料を1枚配付しています。

これは、石油製品の需要に占める割合を示したものです。

原油から、ガソリンが31、ナフサが25、軽油が22、重油が11という割合です。

この円グラフを見ると、ナフサだけが激変緩和措置の対象になっていないことが一目瞭然です。

総理の3日の答弁でも、ナフサは多層で非常に幅広い実需家がいるため、ガソリンや軽油のようにはできないというお話がありました。

しかし、ナフサは粗製ガソリンとも言われるものです。

石油精製業者、また化学製品として使用する40社から50社程度の事業者に対象を絞り、補助金、緩和措置を適用することは考えられるのではないでしょうか。

川下まで来ると、例えば20円の支援を入れても、効果は半分しか現れないかもしれません。

それでも、ナフサ由来製品の価格は上がり過ぎています。

シンナーについては1.8倍になっても量は大丈夫だという説明がありますが、価格的には4割、5割上がっているものもあります。

2割、3割上がっているもの、倍になった製品もあります。

やはり、元から冷やすということを考える時期にあると思います。

3日の再質問で、総理は「今のところは考えていない」と答弁されました。

「今」という言葉を使われたので、私は、川上に支援を入れれば、ある程度価格抑制ができるという余地はあると受け止めています。

国交委員会でも、価格転嫁をすればよいという答弁がありました。

しかし、中小の実需者、例えば建築資材では、施主とのやり取りの中で、2割、3割も価格を上げられるわけがありません。

だからこそ、根っこから価格を冷やしていく必要があります。

川下には4万から4万5000とも言われる最終製品メーカーがあり、中小企業が非常に多いと聞いています。

全額でなくても、一定割合を冷やし、全体の価格を抑える。

量が足りているのであれば、次は価格を冷やす対策を検討し、実行すべき時期に来ていると思います。

大臣、いかがでしょうか。


赤澤亮正経済産業大臣

まず、総理から、ナフサ製品メーカーに対する補助については、ナフサ以降のサプライチェーンが広範かつ多層にわたるため、最終需要家、消費者に直接的な効果が届きにくいと考えていると申し上げました。

今、委員はそれを踏まえた上で、元を20円下げれば製品で10円でも効果が出るという趣旨の御説明をされました。

本当によく考えておられると思いますし、私も委員の問題意識はよく理解しています。

ただ、私自身、もう少し踏み込んで考えなければならないと思っているのは、川上の関連製品の価格上昇について、ナフサ価格の上昇だけでは説明しきれないという点です。

ナフサ価格が上がった以上に、なぜこれほど上がるのかという問題があります。

委員がおっしゃるように、川上のナフサに補助金を入れれば、問題がすぐに解決するとも限りません。

川上と川中で供給見通しが共有されず、供給量が制限されていること。

川下で実績以上の発注があること。

さまざまなことが起きています。

全貌をまだ把握しきれていませんが、供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ解消していくことで、関連製品の価格を下げることを現時点では期待しています。

当面はその取り組みを続けたいと思っています。

ただ、国民の皆様の命と暮らしを守るべく、必要な措置については、あらゆる選択肢を排除せずに検討してまいります。


5.ナフサ備蓄制度の検討について

後藤ひとし議員

大臣、流通の各段階では、少しずつ在庫を増やそうと考えながら、当然、商行為を行っていると思います。

現場で使う側も、これからもっと高くなるからもっと欲しいと考える。

それぞれの段階でアンバランスが起きていると思います。

これも3日に総理にお尋ねしましたが、1993年まで、石油備蓄法に基づくナフサの備蓄制度がありました。

ナフサないしナフサ関連製品の民間・国家備蓄となると、大規模な建設費などもかかり、ハードルが高い面があります。

ただ、それぞれの流通段階、特に川上に近いところで在庫をしっかり持ち、それを国が支援していくことは考えられます。

今回の食料法改正でも、米について同じような趣旨の対応が進みます。

石油の備蓄と同じように、ナフサについても対応していくべきです。

前にあった制度ですから、資料はあまり残っていないようですが、しっかり検討していただきたい。

これは川上の一番根っこの部分で、「大丈夫だ」と理解してもらえる象徴的な制度になると思います。

ぜひ早急に検討し、早く法制化していきたいと思います。

大臣、いかがでしょうか。


赤澤亮正経済産業大臣

ナフサについては、平時から国内精製に加え、中東以外の国からの調達、つまり代替調達も行い、調達源を多角化してきました。

その結果、今回の中東情勢緊迫後でも、全体として必要な量は足りており、年度を越えて供給できる見通しだということは、繰り返し申し上げてきました。

ナフサは揮発性が高く、年単位の長期備蓄が難しいという特性があります。

一方で、基礎化学品や川中製品については、在庫として確保することが可能です。

ナフサ由来の化学製品の安定供給に万全を期す観点から、備蓄の重要性はよく認識しています。

これだけ経済安全保障が強く言われる時代になりました。

備蓄方法や支援の必要性など、その在り方について、上流から中流、下流に至るサプライチェーン全体の状況を踏まえつつ、引き続き検討させていただきたいと思います。


後藤ひとし議員

以上でございます。
ありがとうございました。

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